脱原発に向けて

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【原発を「経済性」の面から考えることも必要ではあるが】

3月28日(土)に「原発は割に合わない!~原発の本当のコスト・これからのエネルギーのはなし~」(Bye-Bye原発/国分寺の会、ちょっと待って原発の会:共催)に参加しました。

講師は、立命館大学国際関係学部教授の大島堅一さん。

 

物事を考え、結論を出すにあたっての判断基準や大切なポイント、何に比重を置くのは、人それぞれ異なります。

だからこそ、合意形成を図るためには、他者が重要視する様々な観点をお互いに理解して、それぞれの観点での妥当性やメリット・デメリットを分析した上で、総合的に判断していくことが求められます。

そういうことからも、共催団体の代表から、「脱原発のアピールをしていると、“原発の発電コストは他の電源よりも安いから、原発を維持しないと日本の経済は立ち行かない”との意見をよく聞くことから、コスト面から原発を考える機会が必要と感じた」との、学習会開催にあたっての趣旨が説明されました。

 

学習会の結論から言えば、原発のコストは、発電コスト(建設費、燃料費、運転・保守費)に、社会的費用(技術開発費用、立地対策費用、原発事故費用、追加的安全対策費用)などを加えると、火力発電や水力発電よりも高いという試算や、原発比率とGDPとの相関関係はないとの「国民的議論」の結論や、各電力会社の電気料金の内訳のご紹介などがあり、コストの面から考えると原発の発電コストは高いうえに、電気料金や税金という形での国民負担も増加するという内容でした。

つまり、経済面から考えても、原発をなくすことで社会が受けるダメージは、ほとんどないということです。

 

【「コスト」をどのように捉えるかで、結論が変わってくるという側面も】

このように「コスト」という観点から紐解くことももちろん必要ですが、一方では、コスト試算については、何を盛り込むかのかについて異論があるようですし、民主党政権下で設置された「国民的議論」での様々な試算や到達点が、どういうわけか、広く国民に情報提供されていないという現状を鑑みると、この学習会で共有された内容を、私たちが「一般化」しようとしても、「あー、なるほどねー」とすんなり理解・納得してもらえない場合も、少なからずあるのではないかと思います。

また、たとえばコスト面だけで良し悪しを主張してしまうと、今後期待される「再生エネルギー」などは、技術開発費もまだまだ必要とされる分野である分、産み出されるエネルギー総量をさらに増加させるためにかかる費用の必要性を、正当化しにくくなってしまいます。

 
【考えるためには、多角的な観点や情報が必要ではあるが】

冒頭に「物事を考え、結論を出すにあたっての判断基準や大切なポイント、何に比重を置くのは、人それぞれ異なる」と書きましたが、こと原発の今後に関しては、福島原発事故を経験し、「いざというときのダメージの深刻さ」を突きつけられた今となっては、そのデメリットを払拭するだけのメリットは、あらゆる観点から紐解いたとしても、「ない」と、私は考えています。

脱原発への合意形成に向けては、この「そもそも論」こそを冷静に主張していくことが、一番効果的ではないかと個人的には思っていますが、いかがでしょうか。

 

 

tomoko