特別支援教育について〜通級指導学級の今後の方向性について〜 (平成26年第4回定例会・一般質問④)

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片畑⇒東京都は、「特別支援教育推進計画・第3次実施計画」に基づき、「特別支援教室モデル事業」を踏まえて、 今後、情緒障害等通級指導学級を順次なくし、通級指導教室にかえていく方向性を示しているが、 それに対して、この間、複数の保護者の方からお問い合わせがあった。 まず、この件について、今後、何がどのように変わっていくのか、ご説明をお願いしたい。

 

教育長⇒東京都の特別支援教育推進計画・実施計画の第3次の最終年度である平成28年度から、都内においては順次、通級指導学級の形を変えて、通級するのではなくて、全ての学校に特別支援教室を置いて、そこに拠点校から教員が巡回するという、子どもが通うのではなくて、教員の側が各学校に巡回をするという形。こういった形の特別支援教室を整備したいというのが、東京都の計画であると承知をしている。

 

片畑⇒国が示している特別支援教育の理念の一つは、 「特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒が在籍する全ての学校において実施する」ということであり、

国が設置した、「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」による報告書、「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」には、

「障害のある子どもが、地域社会の中で積極的に活動し、その一員として豊かに生きることができるよう、 地域の同世代の子どもや人々の交流等を通して、地域での生活基盤を形成することが求められている。 このため、可能な限り共に学ぶことができるよう配慮することが重要である。 それが、障害のある子どもが積極的に社会に参加・貢献するための環境整備の一つとなるものである。」との記載があるように、

地域におけるインクルーシブ教育を実践することが、ひいては共生社会の実現になると、私も思っている。

 

そういう意味では、今回の東京都の取り組みに対しては、期待したい気持ちがあるわけであるが、

一方で、この理想を実現するためには、しっかりとした人的配置と、ハード面における教育環境の整備が、不可欠である。

現在のような、拠点校に子どもを集めるやり方であれば、学年や求められる教育的ニーズなどをマッチングして、グループ化することで、集団での学習も可能であるが、

各地域校へ分散するとなると、学年や教育的ニーズの異なる個々の子どもたちへの、個別的な指導の必要性も出てくる。

 

果たして、そこまで丁寧に対応できるだけの、教員配置が可能なのか、 個々人に合わせたカリキュラムを組めるのか、 また、使用する教室の学習環境などの、ハード整備に伴う財源は保証されるのか、 という大きな懸念があるが、

今までの特別支援教育に関する都の財政措置を鑑みると、残念ながらあまり期待できない気もする。

 

そのあたりについても、しっかりと都の動向を注視しながら、求めるべきところは、国分寺市教育委員会としてもしっかりと声を上げ、求めていただきたいと思うが、いかがか。

 

教育長⇒議員からご紹介あったように、国の進めるインクルーシブ教育を受けて、東京都においては特別支援教育推進計画・第3次実施計画が定まっている。その第3次の実施計画の中では、議員からも今、ご指摘あったように、全ての学校で実施する特別支援教育を重視したいのだということがある。また、つながりを大切にした特別支援教育であるべきである。自立と社会参加を目指す特別支援教育である。この方向は、国も都も一致をしているし、市の特別支援教育の基本計画においても、その点は変わるところはない。

 

その中に今、特別支援教室を設置して、巡回型の特別支援教育を実施していくと位置づいているわけであるが、実際にどういう形で、教員を何人配置して、一つの拠点校から何校を受け持って巡回をするのか、等々については、まだ計画の中では明らかになっていない状況である。

 

今、議員からその点については、しっかりと意見を述べていくべきだというご指摘もあった。教育長会としても、モデル校での様子は聞いているが、それ以上の具体的なところはまだ東京都から説明もないので、今後、そういった説明を受けた際に、これは各市同じ思いであるので、そういったことについては、しっかりと意見を申し上げたい。

 

片畑⇒個々の子どもたちの成長、あるいは自立を支援する制度・しくみであるので、 それに逆行する、阻害するような中身になっては困る。 そこのところは、しっかりと求めていただきたい。

tomoko