市民活動・協働について〜市の目指す方向性について〜(平成26年第4回定例会・一般質問①)

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片畑⇒質問を進めていく前提として、「市民活動」と「行政との協働」との違いを明確にしておきたい。

 

「行政との協働」は、あくまで、「行政として行うべきことの補完」であると、私は考えている。
本来の「市民活動・NPO活動」は、行政も民間企業も取り組まないような地域課題を解決していく、まさに、すき間を埋めていくことをミッションとしている。

 

しかしながら、欧米のNPOとは異なり、寄附収入の少ない国内のNPOの多くが、
経済基盤の確立ができないまま、ボランティア的に事業を続けていたり、あるいは事業継続が難しくなって、活動を辞めざるを得ないという実態もある。

このような状況において、経済面で見れば、市民活動やNPOとしても、行政と協働することは活動の継続性を担保できるという意味でも重要であるが、
一方では、行政の財源は市民からの税金を基盤としているので、
活動内容や支援対象者のセレクトについても、行政のルールに則らざるを得ないわけで、
そういう意味でのやりにくさというか、市民団体本来の活動が制限されてしまうというデメリットもある。

 

また、サービスを受ける市民の側からしても、利用対象者や利用範囲が限定される、行政のサービスとは別に、
市民活動・NPOならではの自由な発想による、きめ細やかで対象者に寄り添ったサービスを選択できることは、暮らしやすさにもつながってくる。

 

そういうことからも、市民団体やNPOが活動するための財源を、、
税金以外で確保、あるいはプールできるしくみを確立することが、相互にとっても好ましいと考える。

 

そのような現状と課題を踏まえて、市民活動やNPOへの財政的な支援のしくみについて、いくつかの事例を、ご紹介させていただく。

 

まず、昨年の9月議会でも、すでにご提案させていただいいるが、
芦屋市のNPOが主催している「NPO活動公開オーディション」である。
この公開オーディションは、NPOが自分たちの活動をプレゼンし、「活動を支援したい」とか、「地域にはこういうサービスが必要だ」と共鳴した市民から、寄附や物資提供・人材支援などを募るものである。

NPOの存在や活動を知る機会は、意外とない。
この公開オーディションは、すでに新しい公共として問題解決を行っているNPOを、広く市民に知らせることによって、
「自分も利用したい」というニーズにつなげるとともに、
「自分も何らかの社会貢献をしたい」と考えている市民とNPOの活動を、マッチングしていく場にもなっているとのことである。

 

2つ目は、岩手県奥州市で「奥州市市民が選択する市民公益活動団体への支援に関する条例」に基づいて行われている、「0.4%支援事業」と書いて「オーシュウ%支援事業」と読むのだそうだが、
この事業は、個人市民税納税額の0.4%相当額以内を予算化し、
市民による投票により補助金額を決定することで市民の意思を反映させ、
市政への関心を高めてもらうとともに、
NPOの活動を知る機会とし、より活動しやすい環境づくりをすることで、
市民と行政との協働による豊かなまちづくりを進めていくことを目的としている。

事業年度の4月1日時点で奥州市に住所を有する世帯につき1票の投票権があり、
あらかじめ審査会の認定を受けた団体に対して市民投票を行うわけであるが、
ちなみに、平成25年度の投票結果は、投票総数:3201票、投票率:7.3%ということである。

 

これは厳密に言えば「市の補助金」であるが、市民活動事業が広く広報され、投票という形で市民が選択するという意味では、従来型が進化した形とも言える。

似たような方法としては、「市川市納税者等が選択する市民活動団体への支援に関する条例」に基づいた「1%支援制度」や、「一宮市民が選ぶ市民活動に対する支援に関する条例」に基づいた「市民活動支援制度」がある。

市川市については、今年度の実績は、届け出総数:8753件、届け出金額:1652万1570円。
一宮市については、届け出総数:3万3881人、届け出率:10.6%である。

 

3つ目は、自治体主導で基金制度を設置し、市民や事業者から寄附を募っている事例で、
杉並区や札幌市、横浜市や福岡市などで実施されているが、いずれもかなり多額の寄附が集まっているようである。

 

このような事例をご研究いただき、ぜひとも市民の主体的な活動を支援するしくみをつくっていただきたいと思うが、市長はいかがお考えか。

 

市長⇒今、議員からご紹介いただいたNPOが主催するオーディションについて、これは非常に新しい発想で、すばらしいことだと思う。行政がそのオーディションを主催するとなると、いろいろ後々何か問題が起こったときに難しいことがあるかと思うが、NPOが主催するということについては非常にいい取り組みだと思う。

その他、ご紹介いただいた、行政からお金を出すことについては、たとえば投票するにしても投票自体にお金がかかる、その辺も含めて、公金を使うとなると、この辺難しい部分があると思う。

ただ、発想としては、市民が自主的にやられる活動を行政として何らかの形で応援をしていくことは必要であるし、逆に受け身ではなくて、行政として市民の方々の問題、こういうことをやるべきだと思っていることを大いに活用して募集していくことが必要だと思う。

今、市として、提案型、公募型という形で協働をやっているが、まだ定着していない感があるし、いろいろ課題もあると思っている。議員のご提案も含め、今後、行政として市民の方々との協働を進めていくに当たり、ぜひ参考にさせていただきたい。

 

片畑⇒社会保障制度を含めた公的なサービスが危うい状況になっている今だからこそ、
自分たちがこの地域で生活する上で必要なしくみを行政に求めるばかりではなく、
私たち市民が自分たちで、お金やモノや労力を提供し合いながら、自らがつくりあげていく、生み出していくという発想を持つことが大事であるし、
まさにそれこそが「真の市民自治」であろうと私は思っている。

そういう意味においても、市民自体の意識を変えていく一つのきっかけとして、ぜひとも前向きに取り組んでいくことをお願いしたい。

 

tomoko