「子どもの貧困」について(9月議会の一般質問⑥)

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片畑⇒昨年、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が制定され、それに基づいた大綱が先月29日に閣議決定された。

 

その中で、「教育の支援においては、学校を子供の貧困対策のプラットフォームと位置付け、
①学校教育による学力保障、
②学校を窓口とした福祉関連機関との連携、
③経済的支援を通じて、学校から子供を福祉的支援につなげ、総合的に対策を推進するとともに、教育の機会均等を保障するため、教育費負担の軽減を図る」と、書かれてある。

 

確かに学校という場は、「義務教育として行われる普通教育」を実施する場であり、
子どもたちが長時間すごす場であるとともに、
子どもの状況や家庭環境に関する情報が集中している場でもある。

 

全国な事例として、学校の教室や保健室から見えてきている、子どもたちの実態を少しご紹介する。

 

●夏休み中にやせる児童・生徒が、ここ数年増加している。休み中は、十分な栄養がとれないためではないかと思われる。また、給食が1日の栄養源という子がいる
●病院にいけない子どもがいる。高熱でも登校して保健室で寝ていたり、骨折しても受診せず『治った』と見せてくれた骨が曲がってついていた
●32本中20本がむし歯でも、歯医者に行けない子ども
●視力が0.06でもメガネを購入できない子ども
●修学旅行の積み立てを生活に回すため、自ら行かないという生徒が複数いる
●持っているもの、着ている制服、履いている靴など、汚れやほころびでボロボロの生徒
●お金がかかるので運動部には入れない、などなど、

豊かな時代、飽食の時代、子どもに多額の教育費をかけていると言われている時代において、
このような状態にある子どもがいるということは、にわかには信じられない気持ちもするかもしれない。

 

一方で、だからこそ、このような子どもたちの問題を、ともすれば、親の無知とか、親の無理解とか、学校に協力的ではない家庭であるという捉え方をしてしまい、
一方的に親を指導しようとしたり、学校と家庭とが対立関係になったり、あるいは、家庭の責任だから学校は関与しないと放置状態になるなどして、
結果として、さらに子ども自身が苦しい状況に追い込まれてしまっているケースも、あるのではないかと推測される。

 

子どもの貧困率が、16%を超えるという数値が公表されている。

 

今、ご紹介した事例は、学校教育現場であるが、同じような事例が、保育園や学童保育でもあるのではないかと思われる。

 

荒れる子ども、手のかかる子ども、文句ばかり言ってくる親など、様々な問題行為には、
もしかして、働き方や生活苦などの背景が横たわっていて、家庭だけではどうにもならない状態に追い込まれているのではないかという問題意識を持ち、
それゆえの配慮を、ぜひ努力していただきたいということと、
それらの事例を抱え込むのではなく、庁内で問題共有し、役割分担や解決策をはかっていただきたい、ということを求めたい。

 

このことについて、学校関係、子ども福祉関係、それから、生活困窮者支援のご担当、それぞれからご答弁いただきたい。

 

教育長⇒学習状況調査の結果で、本市の小学校6年生において、「朝食を全く食べていない」と回答した児童が、900人中0.6%で5人くらい、「あまり食べていない」と回答した児童が1.3%で12名くらいいるということがわかった。

学校はこういう情報を掴んでいる。この、「朝食を全く食べていない」ということは、保護者のネグレクトなのか、不規則な生活習慣によるものなのか、健康上の問題があるのか、あるいは貧困によって食べられないという状況があるのか、学校は分析して、それに合わせた適切な対応をしていくべきであろう。

それを、学校のみならず教育委員会もつなぎ役をして、全庁的に対策を図っていく必要は痛切に感じているので、他部署、他機関との連携を進めてまいりたい。

子ども福祉部長⇒すでに学校から子ども家庭支援センターにご連絡いただいているケースもある。もしかして、中には、市のサービスメニューをご存じなくて困難な状態になっている方もいるかもしれない。こういう実態を庁内全体で把握していかなくてはならないと思う。

いずれにしても、庁内全体で連携して、情報共有を図り、何ができるのか、検討を進めなければならない大きな問題だと認識している。

 

福祉保健部長⇒生活困窮者の自立ということでは、私どもが進めていく部である。国から示されている検討課題の中にも、庁内の体制の構築が謳われている。そのためには、連携する会議が必要になってくるであろうことも検討している。各関係するところと連携しながら、対応していきたい。

 

片畑⇒生活困窮者支援法の任意事業に、子どもの学習支援や居場所事業がある。
自治体によっては、集団指導ではなく、メンター制度という、学生ボランティアによる1対1の個別支援を実施している事例がある。
家庭や学校でも孤独な状況にある子どもにとって、「自分だけを見てくれる人」が身近にいることは、安心感と満足感につながり、自己肯定感の回復、ひいては、学習に対する意欲や、将来に対して希望を持つことにもつながるということである。

 

また、学習支援にさらに福祉的な要素を加えた支援をしている、NPOの事例もある。
親が長時間仕事をしているので、夜遅くまで子どもだけで過ごす家庭もあるということから、
少しでも子どもたちに家庭的な雰囲気を味わってもらいたいと、
大学生や地域のボランティアと一緒に、晩ご飯をつくって食べるという取り組みをしているそうである。

 

現在、国分寺市では、どのような学習支援等を行うのか、まだ決まっていないとのことである。

 

来年4月から予定されている事業実施に向け、遅ればせながら、この半年間で精力的に子どもたちの実態やニーズを把握し、
子どもの状態や状況にあった支援を選択できるような、メニューの準備をしていただきたいと思うが、いかがか。

 

福祉保健部長⇒どういったことができるのか、まずは状況の把握を含めて検討していきたい。

 

片畑⇒本来であれば、法が制定された段階から、私が今回提案した庁内連携が進められていなければならなかった。
にもかかわらず、それができていないということであり、法施行の半年前になって、いよいよ慌ててやらなくてはならないという、非常に厳しい状況であるが、
来年4月からやらなくてはならない事業がある。
それをぜひ効果的に実施するためにも、なんとか、この半年間、精力的に連携し、ニーズを把握し、事業の構築をしていただきたい。

tomoko