「空き家バンク」を活用した、生活困窮者への住宅支援について(9月議会の一般質問⑤)

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片畑⇒生活困窮家庭に対する支援として、基礎自治体ができる取り組みのひとつに、住宅対策がある。

 

特に、都市部における住宅問題は非常に深刻である。
収入の大半が家賃として消えてしまう。
あるいは、居住空間が狭く、安心して過ごせる居場所どころか、ストレスの源になっているという事例も伺っている。
自治体によっては、公営住宅を確保したり、家賃補助制度を設けているところもあるようだが、
国分寺市の財政状況をかんがみると、なかなか実現が難しい。

 

そこで、より実現性の高い方策として、「空き家バンク」を活用した住宅支援について、今回提案させていただく。

 

この「空き家バンク」は、特に地方都市で取り組まれている。
人口減少対策として、IターンやUターン、移住者などの定住促進等を目的として、空き家や空き地の売買・賃貸借を希望する所有者に、物件を登録してもらい、
自治体がホームページなどを通して、物件情報を提供するというものである。
なお、契約等に関しては、市ではなく、協力事業者として登録された、宅地建物取引業者が仲介している。

 

国分寺市においても、空き家等が管理不全な状態になることを防止する目的を持つ、「空き地及び空き家等の適正な管理に関する条例」を制定し、活用も図っていくという方針も示されている。

 

この、空き家活用策の一つとして、子育て中の生活困窮家庭に、優先的に貸し出していただくしくみをつくっていただきたい。

 

賃貸物件にせず、空き家のままにしている理由として、一般的に言われていることは、
取引価格が安く、不動産業者が手数料収入にならないなどの理由から、仲介を拒まれた物件であったり、
貸すにあたっては、耐震改修等の修繕が必要であるが、当面の現金支出が難しいという場合や、
家財道具が置きっぱなしになっていて、その整理がなかなかできない、
あるいは、一旦、空き家として放置してしまうと、なかなかきっかけがない、などが挙げられている。

 

逆に言うと、「子育て中の生活困窮家庭」に、安い家賃の住宅を提供することを、市の施策として位置付け、
賃貸物件として確保するために、個々の課題が解決できる支援を行政が行い、
放置されている空き家を、その対象物件として登録してもらう制度をつくることで、
空き家を貸し出してみようかという、意欲やきっかけにつながる期待も持てる。

 

たとえば、賃貸物件にするための具体的な支援としては、
改修費用については、市がいったん立て替えて、その後の家賃収入から返済してもらうというしくみや、
置きっぱなしの家財道具については、どこか一室に集めて立ち入り禁止の部屋をつくるとか、大事に使ってもらうという条件で、家財道具付きの物件にするなどの工夫もできる。

 

空き家バンクの登録の呼びかけについても、今行っている空き家調査はもちろんであるが、
固定資産税の課税通知書に、空き家バンクの登録依頼の文書をつけ、
現在放置されている空き家を、賃貸物件として提供していただくために、市ができる支援メニューを提示し、
考えるきっかけをつくっていただく。
その中で、子育て世代に対する市の支援策にご協力いただくために、社会貢献の意味も踏まえて、低い家賃を設定していただくことをお願いし、登録していただくというような、働きかけをしていく。

 

この取り組みが実現すると、借りる方は安い家賃で広いスペースの住宅が借りられ、
貸す方は家賃収入が入る上に、改修工事を行ったり人が住んでくれることで、家自体の延命にもつながる。
また、市はほとんど支出を伴わず、効果的な生活困窮者支援が実現できる。
ぜひ、前向きにご検討いただき、早急に実現していただきたいと思うが、いかがか。

 

政策部長⇒まず、市で活用できる空き家がどの程度あるのかを把握する必要がある。さらに、その空き家の所有者が市に貸していただけるのかという、大きなハードルがある。それらを整理した上で、ご提案の内容と結びつけられるか、ということになる。本日のところはご提案としていただき、どのような有効活用がはかられるかという中の、一つのメニューとして加えたいと考えている。

 

片畑⇒生活困窮者支援のご担当としても、強く進めていただきたいと思うが、いかがか。

 

福祉保健部長⇒来年4月から施行される生活困窮者自立支援法の必須事業の中に、離職により住居を失った方に対する家賃相当額を支援する事業が用意されているが、離職された方に対して、最長9ヵ月であり、ご指摘の、子育て世帯に特化するというものではない。

生活困窮者の自立支援については、まだメニューも決まっていない。何が必要で、何を行っていくことが重要なのかを含め、検討していきたい

 

片畑⇒住宅対策は非常に大きな支援の一つである。ぜひ、先進事例となるように進めていただきたい。

tomoko