生活困窮者への支援について(9月議会の一般質問④)

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片畑⇒豊かな時代と言われながらも、一方ではじわじわと所得格差が進み、厚生労働省が今年7月に公表した「国民生活基礎調査」によると、2012年の相対的貧困率は16.1%という過去最悪の数値となった。

これは、等価可処分所得、つまり、「所得から税金や社会保障料を差し引いた手取り額」が、中央値の半分に当たる「貧困線」、2012年の数値としては、「122万円に満たない世帯の割合」を示している。

 

この相対的貧困率は、等価可処分所得のデータをもとにしているので、
たとえば、年金収入だけであったとしても、持ち家に住み、定年退職金など潤沢な貯蓄がある世帯も含まれていることから、
16.1%すべての世帯が、イコール困難を抱え、支援を必要としているというわけではない。

 

しかし、この調査で、「生活が苦しい」と回答した世帯は、59.9%にも上っており、日常生活において様々な課題を抱えている方が、相当数いらっしゃるという問題意識を、あらためて持たねばならないことは確かである。

 

一方、国は「生活困窮者自立支援法」を制定し、来年4月から、市も法に規定された様々な支援を行う予定になっている。

 

ともすれば、法に規定されている必須事業や任意事業の実施のみに意識が向きがちであるが、
この法における生活困窮者の定義は、「現に経済的に困窮し、最低限度の生活をすることができなくなる恐れがあるもの」とあり、
考え方としては、狭い範囲に限定するのではなく、複合的な課題を抱えた生活困窮者を、幅広く受け止めた包括的な支援を行える体制整備が求められている。

 

そもそも、生活困窮者支援は、新たな課題ではなく、実は昔からある、
むしろ、行政が最もスキルを持っている支援であり、支援対象者であるとも言える。
さらに言えば、新たな相談窓口を開設して、相談者を待つまでもなく、
すでに多くの生活困窮者がすでに行政施策あるいは行政サービスとつながっているとも言える。

福祉関係課のみならず、学校、市営住宅、課税・納税、下水道、国民健康保険、医療関係、ごみ対策などなどの現場で、多くの事例やお困りごとを把握しているはずである。

 

これまで、もしかして、その問題が「生活困窮」に起因するという観点が欠けていることで、適切な支援につながらなかったケースもあったのではないか、
あるいは、複合的に他の課題にもつながっていくという視点を持ち、他課とも積極的に連携していくことで、改善が図れるケースもあるのではないかという意識を持ち、
実施事業や支援対象者を見直していただきたい。

 

そのためには、庁内各課の事業に、「生活困窮者支援」という横ぐしを入れ、各課との情報共有および連携をはかり、、
現在策定中の地域福祉計画における「生活困窮者への支援」の項目に、しっかりと反映していただきたいと思うが、いかがか。

 

福祉保健部長⇒生活困窮者自立支援法のモデル事業を実施するにあたり、庁内説明会を開催したが、情報共有や連携という状況には至っていない。

早急に整備していきたい。また、策定中の地域福祉計画の中で、生活困窮者への支援を検討していきたい。

 

片畑⇒実は、そこが支援のベースである。つい、生活困窮者自立支援法に規定された事業をやることが目的のようになっているが、情報共有や庁内連携体制が整っていなければ、何の支援にもならない。
基礎基本、ベースをしっかりと構築していただきたい。

 

tomoko