佐渡視察報告③(若者への支援について〜国分寺市の取り組みと佐渡市との比較〜)

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今回の一般質問でも取り上げましたが、東京都は「若者社会参加応援事業」として、
6月2日からひきこもりに悩む本人やご家族への訪問相談をスタートしました。

この訪問相談の申込みは、各市区町村が窓口ということで、
国分寺市では「子ども福祉部子育て相談室」となっています。
相談受け付けが始まって1ヵ月ちょっと経ちましたが、ちょっと前に聞いたところでは、ご相談は0件とのことです。

 

 一方、佐渡市では、妊娠期から39歳までを対象とした「子ども若者相談センター」を、今年の4月に立ち上げ、相談受け付けを開始しました。

6月までの集計によると、若者相談業務(16~39歳)では、すでに9件ものご相談が寄せられているとのこと。

 

 対象となる年代の人数を単純に比較しても、国分寺市の方が倍以上いらっしゃいます。
なぜ、このような差が生じているのか?

 

いくつかの要因が考えられますが、まず、ひとつは「広報」です。

先にご紹介した都の相談事業について、都の広報誌に載っていたようですが、どのくらいの方がご覧になったでしょうか?

では、相談受付の窓口になっている国分寺市が、どれほどの広報をしているか?
6月定例会の文教子ども委員会の事前打ち合わせの時、委員長としてこの事業の報告を求めたところ、驚くべきことに、当初は「都の事業なので、報告するのは…」と躊躇されました。

結果的には報告をしてもらったのですが、それ以外の広報については、いまだに目にも耳にもしていません。

 

 一方、佐渡市では、子ども若者相談センターの電話番号を大きく書いたチラシを、今年4月に全戸配布したそうです。
また、ポスターも市内300か所に配布してPRした上に、
学校の校長や養護教諭、民生委員協議会などでもセンターの紹介や説明もされているそうです。

そのことから、当事者から直接の相談というよりも、
問題に気づいた関係者が、解決の糸口としてセンターに相談するというケースの方が、現在の数としては上回っています。

 

 そういうことも踏まえて、両市の差が生じているもう一つの要因として考えられることは、
「その問題」というか「それが問題である」ということに、気づいている人がどれくらいいるかということです。

隣にどういう人が住んでいるのかわからないという都市生活の中では「見えない」ことも、
地縁・血縁が密な社会である佐渡市では「見えてくる」ケースがあるのではないか、ということです。

 

 「顔の見える関係性」も、ともすればお節介であったり、プライバシーの侵害につながったりする場合もあります。
けれども、かといって、見て見ぬふりばかりでは、何か問題が生じてしまった時、潜在化・深刻化してしまいます。
そのバランスをはかることは、本当に難しい。

難しいけれども、そこを突破していかないことには解決できない問題があるのなら、それをいかにクリアしていくのかこそを考えるべきなのではないかと、私は思うのです。

tomoko