佐渡視察報告①(認知症対策総合推進事業について)

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佐渡市の面積は、855.33㎡(国分寺市は、11.48㎡)、
人口は約6万1千人(国分寺市は、約11万8千人)。
※平成25年10月1日現在のデータで比較

 

佐渡市では、65歳以上の人口比率を示す「高齢化率」が、平成26年3月31日現在で、38.6%と非常に高く、そのうちの約13人に1人の割合で認知症を発症していると予測されていることから、昨年度より国の認知症対策総合推進事業を活用し、事業を実施しています。

 

昨年10月から、「ほのぼのカフェ」と「ものわすれあんしん相談」を開設。
昨年度は、月1回、市内4か所での開催でしたが、今年度は、「ほのぼのカフェ」はさらに1ヵ所増やしたそうです。

「ほのぼのカフェ」は、これまで18回開催して、のべ218人の参加。
「ものわすれあんしん相談」は、これまで24回開催して、のべ44人の参加があったそうです。

 

そもそもは、地域支援包括支援センター圏内に設置されたカフェや相談に来られた方を、そのままセンターの支援へとつなぐことが目的だったそうですが、
実態としては、ご自分が住んでいる地域から、あえて遠い場所に相談に行かれる傾向が高いとのこと。

また、単におしゃべりの場と謳っている「カフェ」と、認知症の支援を前面に謳っている「相談」との参加人数を比較してみても、佐渡市の地域状況として、地縁・血縁など関係性が密である分、一方では、「認知症」であることが恥ずかしい、知られたくないとの思いが、まだまだあるんだということが推察されます。

 

自分でもどうしていいのかわからないことが生じたとき、それ自体が大変つらいことですが、そのことを誰にも相談できないということは、さらなる孤独を感じさせます。

しかも、目の前に相談できる場があるのに、それに参加できない、参加する気が起きないという当事者の気持ちを想像すると、
その事業単独で参加の呼びかけをしていくだけでは、解決しないような気がします。

 

認知症に対する偏見や誤解をなくしていく学習会や啓発活動、
相談が確実に支援につながっていく体制整備(医療、福祉サービス、社会資源など)、
市民レベルでの日常的な見守り活動の広がり、
生きがい活動と連動した認知症の予防など、
「認知症対策」として独自に実施していくことは当然必要ですが、
他の既存事業に「認知症対策」の観点を付加することで、予算も労力もかけずに事業の拡大につながっていく場合もあります。

 

たとえば、佐渡市では、昨年9月に脳トレで有名な川島隆太氏を講師に、「知ってた? 脳が元気になる方法教えます」と題した、認知症予防フォーラムを開催し、約300人の参加があったそうです。

それを契機として、10月から介護予防事業として、「脳の健康教室」をスタート。
今年度は、「読み書き計算・しゃきっと教室」と改称し、小学校の教室を借りて、4つの会場で週1回実施。初日には子どもたちとの対面式を行った会場もあったそうです。

 

これなども、国分寺市でも、「地域交流」「開かれた学校」を掲げた教育委員会と連携し、
放課後の学校の教室で開催して、高齢者は規定のドリルを学習、子どもたちは学年に合わせたドリルでもその日の宿題でも可能ということにして、
場合によっては、お互いに教え合ったりして、「合同で」学習すれば、複数の効果が期待されます。

 

他にも、徘徊の見守り体制が地域の中で整備されることによって、
認知症の方だけではなく、空間認知が難しい高次脳機能障がいや知的障がい、発達障がいの方たちにとっても、行動しやすいまちになります。

 

ただし、このような「複数課題の同時解決」に向けた「各課連携」は、
縦割り行政が、もっとも苦手とすることです。

だからこそ、合わせて、行政職員の発想を柔軟にする取り組みと、
すでに柔軟な発想を持っている市民が自主自発的に活動できる「規制緩和」が、必須です。

tomoko