障がい福祉サービスと、介護保険制度との適用関係について

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【平成26年第2回定例会・一般質問(6月5日)】

片畑⇒今回、抜粋して出ていただいた「国分寺市障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス等 支給決定基準」は、
「国分寺市行政手続条例」第5条に規定されている「基準」であるか。

 

福祉保健部長⇒その通り

 

片畑⇒行政手続条例第5条第3項には、
「市長等は、行政上特別の支障があるときを除き,条例等により当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない」とある。

現在、この「支給決定基準」は、どのような状態で公にされているか。

 

福祉保健部長⇒障害者相談室の窓口においている。

 

片畑⇒その文書を、コピーすることは可能か。

 

福祉保健部長⇒誰でも見られるようになっており、コピーすることはできると思う。

 

片畑⇒コピーすることができると、言われたか。

 

福祉保健部長⇒確認をさせていただきたいが、窓口に置き、オープンになっているものなので、コピーはできると思う。

 

片畑⇒本来はそうである。けれども、私が今回、議会の提出資料として求めたが、担当課は、
複写していいという規定が行政手続条例の逐条解説にないから、コピーはできないということで拒否された。

それで、私が政策法務に確認して、政策法務から指導というかアドバイスがあり、ようよう出してもらったという経緯がある。

つまり、実態としては、窓口ではコピーはできない。

 

その文書は、市のHPで公開しているか?

 

福祉保健部長⇒アップしていない

 

片畑⇒ホームページに公開していない。窓口ではコピーすることはできない。
つまり、窓口に来た市民しか、見ることができないということである。

様々な事情で、窓口に来ることができない市民には、
サービスの支給決定されるための基準についての内容を知るという、自治基本条例に明記されている「知る権利」が享受されていないと、私は思う。

 

次に、書かれてある漢字のすべてに、ルビはふられているか?

 

福祉保健部長⇒すべてにはふっていない。

 

片畑⇒書かれてある文言は、日常生活の中では聞きなれない、難しい行政用語や法律用語が混じっているか?

 

福祉保健部長⇒行政がつくっているものなので、行政用語は書いてある。

 

片畑⇒所管課は、一体「誰」に向けて、「何」を公にしているのか?

 

障害者相談室が支援対象としている市民の特徴、あるいは特性を鑑みたとき、
それが、適切に公にしている状態であると言えるか。

障がい者の様々な権利を保障するために、速やかに是正を求めるが、なにをどうされるか。

 

福祉保健部長⇒先ほど、コピーができると思うという答弁をしたが、現在の運用では、閲覧のみの対応となっている。しかし、こういったものについては、誰でも見られる、また誰でも理解をしていただくことが必要だと思うので、検討したい。

 

片畑⇒そもそも論として、基準を公にする目的は何か。

基準を定め、公にする目的は、「介護給付費等の決定を、公平かつ適正に行う」ためであるということである。

 

今回、「障害保健福祉関係主管課長会議資料」の抜粋も出していただいたが、
この会議では、毎年毎年、この同じ文章を掲載して、わざわざ説明されている。

この実態を踏まえると、この件に関しては、全国的にも、混乱した状態にあることが推測される。

 

この「障害者福祉サービスと介護保険法の適用関係」については、
法では、介護保険が優先されると明確に規定していながら、
平成19年3月以降は、厚生労働省の担当課長名による、「障害者の心身の状況やサービス利用を必要とする理由は多様であり、一概に判断することは困難であることから、介護保険サービスを優先的に利用しない」という文章が含まれた、通知内容を運用基準としているという、
大変わかりにくい、曖昧模糊としたなかで、市町村それぞれの判断により、支給決定がなされているというのが、国分寺市のみならず各自治体での実態である。

 

そのことから、単純な解釈ミスか、何らかの恣意なのかわからないが、
不適切な内規の存在も明らかになっている。

たとえば、平成22年には、「65歳以上は、障害給付の新規は受け付けない」との、不適切かつ、誤った内規で運用していた新宿区では、区長が謝罪するという事態になっている。

また、私が調べた中でも、世田谷区では、すでに国が廃止したルールを運用していると、区議会での指摘を受けているし、
青梅市でも、先にご紹介した課長通知に基づく適切な運用がなされていなかったと、議会で指摘を受けている。

青梅市の件は確認していないが、世田谷区では区の行政手続条例に反して、内規は非公表であったそうだし、新宿区では区長自身が、内規の内容を知らなかったとマスコミのインタビューで答えている。

 

こういう事例を踏まえて、あらためて何のために公にするのかということを、担当課は認識いただきたい、ということが一つ。

 

さらに、もう一つの問題点を挙げると、「支給決定基準」自体の妥当性である。

 

障がい福祉サービスと介護保険制度との適用関係について、国分寺市で示されている主な基準は、お出しいただいた資料の2枚目の裏、右下に「9」と記されているページの真ん中部分にあり、要約すると、
法で規定されている「優先」の意味については、厚労省通知に沿って、両者の適用関係を考え、本人の生活やサービスの提供事業所の状況などを、総合的に勘案し、適切に支給決定を行うことを基本とする、ということである。

 

行政手続条例第5条第2項には、
「市長等は,審査基準を定めるに当たっては,当該許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない」とあるが、
この支給決定基準は、「できる限り具体的なもの」となっていると言えるか。

 

さらに重ねて伺うが、「サービス支給決定の際の勘案事項」がある。
障がい支援区分」または「障がいの種類および程度その他の心身の状況」とあり、
これは、「障がいの状況のみに着目するのではなく、障がいがあるがゆえに日常生活を営むのに支障をきたしている状況等を含めて勘案する」とある。
また、「介護を行うものの状況」については、
「いるかいないかの他に、年齢、心身の状況及び就労状況を勘案して決定する」とあり、
たったこれだけでも、何をどう勘案して、介護保険サービスと障がい福祉サービスのどちらが適切であるかとの判断をするのか、
どこにでも線引きできるし、もっと言えば、判断する側の価値観や立ち位置によって、どのような理屈も付けられるともいえる。

 

時間の都合上、全部の内容を紹介できないが、支給決定の際の勘案事項はこれらも含めて全部で9項目もある。

この曖昧模糊とした支給決定基準を基に、
心身の状況も、年齢も、家族環境も、住環境も、人生観も、それぞれに異なった様々な「利用対象者」に対して、
「ケアプランを作成する複数の人たち」によって、常に公正で妥当なサービス等利用計画が策定され、
「市の職員」による適切な支給決定案がなされ、
非定形型の支給決定に対しては、「複数いらっしゃる審査会委員」に、常に共通したものさしに基づいたご意見を出していただけるということを、
部長は胸を張って確約できるか。

 

福祉保健部長⇒支給の基準は、法で定める省令等や国の通知に沿ってつくった。議員の指摘のように、個々に合った、障がいをお持ちの方に添った形で、この基準に照らし合わせて、サービスをしていくというのが基本と考えている。

法律の改正部分もある中で、この内容について、よく検討しながら、基準づくりしていかなくてはいけないということを、あらためて認識したので、今後そのような形で進めていきたい。

 

片畑⇒私のもとには、決定に至るまでのプロセスや、決定内容に対して、不満の声が複数届いているが、
それは、市民の方に問題があるということか。

 

実際問題として、市内の介護保険サービス事業者の中には、「厚生労働省からの通知すら知らなかった」という声や、
ケアプラン作成に携わる人たちの中からは、「よくわからないから、個別具体的な事例研究をしたい」との声が上がっていることも、
担当課は十二分に、把握しているはずである。

 

そういう実態を踏まえると、何をどう贔屓目に見ても、
こんな曖昧な基準を基に、すべての案件に対して、「適切な判断がなされている」と、胸を張って言えるわけがない

もっともっと、謙虚に、誠実に、正確に物事を見つめていただきたい。

 

ご存じない方もおられるかもしれないが、国分寺市の「認可保育所入所基準」は、実は、市民参加で見直しがなされている。

平成15年度、平成19年度、平成24年度、それぞれの検討報告書に書かかれてある、私なりにキーワードと思う一文を挙げさせていただくと、
「保育所入所基準作成は価値観のすり合わせである」、「異なる立場の方々が議論を積み重ねることによって、市民に説明可能な透明性のある、公平な基準づくりをしようということ」、「なにが公平であるのかを判断するのはたいへん難しい。しかし、議論を重ね、それぞれの委員が納得できる点を持って新たな基準とした」とある。

 

障がい者の権利を保障できる、公平で透明性のある、できる限り具体的な「支給決定基準」を、
自治基本条例の理念に基づき、当事者を含めた市民参加で策定することを求めるが、いかがか。

 

福祉保健部長⇒先ほども申し上げたが、この基準については、法に則って、省令や国の通知などを基本に作成している。市民参加で、この基準の見直し、あるいは策定ということについては、課題として受けとめさせていただく。

 

片畑⇒本当はもっとつめたいが、質問時間の都合もあるので、速やかに実態や実情を把握していただき、一日も早く是正されることを強く求めて、次に介護保険担当に質問させていただく。

 

このように、「できる限り具体的な」支給決定基準がない中において、
障がい者の生存権を保障できる、公平なケアプランを策定するためには、
介護保険課にも、問題の本質をしっかりとご理解いただいた上で、早急に改善をはかっていただきたい。

 

たとえば、大阪府の高齢者介護室では、「障害者の介護保険利用について」というタイトルで、
第1として、「障害者の介護保険利用に関する配慮の必要性と総合的なマネジメントのために」、
第2として、「障害者の介護保険利用事例集」、
第3として、「介護保険に関して寄せられた苦情・相談の概要」という、100ページの冊子を作成している。
これを参考にした冊子を作成し、介護保険サービス事業者への周知や研修を行っていただきたい。

 

さらには、介護保険サービスだけでは支援が十分でない場合については、障がい福祉サービスの上乗せはもちろんであるが、
地域資源につなげていけるだけの、情報収集をしていただきたいと思うが、いかがか。

 

高齢者福祉担当部長⇒大阪の冊子については、すぐに取り寄せて検証していきたい。ケアマネジャーの研修については、障がい者の障がい福祉サービスの概要ということで、今年度についても、4月24日に実施している。これを発展的に進め、地域情報についても、あわせて収集をする。それによって、ケアマネジャーが、障がいサービスについて、より深い知識を持って、障がい者に対して温かい対応ができるというようなことを目指して研修を重ねていきたい。

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