議会における議員の発言の重さ(その②)

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2007年2月8日に、柳沢厚労大臣(当時)の発言に対する私の見解を書きました。
今回の都議会での不規則発言に対しても、同様の視点から指摘すると、
「現代女性が抱えている課題の認識がない」、「議員として、都民から挙げられた問題に対する真摯な姿勢が見えない」、「不規則発言の内容が解決策の提示に全くなっていない」ということです。

 

私も以前、議会の場で、女性に対する支援がまだまだ必要だという質問をしている最中に、「なに言ってんだ。今は女の方が強過ぎて、男はやり込められてるよ」との不規則発言を受けました。

マイクを通した正規の発言であれば、それに対する反論もできますが、不規則発言に対する反論はできません。
というのも、基本的には不規則発言は議事録には残らないので、その発言に対して応答してしまうと、後日議事録を読んだ人には、その人がなぜそういう発言をしたのか、わからなくなってしまうからです。
ちなみに、そういうこともあって、国分寺市議会の委員会の議事録では、マイクを通さない、委員長の指名のない発言についても、カッコ書きで「〜〜〜という発言あり」として議事録に残していますが、
指名による正式な発言ではないので、誰が発言したかまでは特定していません。
つまり、議員の権利として、正々堂々と「むしろ男性にこそ支援が必要だ」という主張をする機会があるにもかかわらず、そうしないで、
自分の名前を名乗らなくてもいい、反論もされないという安全地帯から、茶化したような不規則発言しかできないという姿勢自体が、議員としてどうなのか、ということです。

 

逆に言うと、とてもマイクを通しては言えない、有権者に対して聞かせられないという自覚があるからこそ、不規則発言でお茶を濁すんだろうとの推測も成り立ちます。
世の中には多種多様な価値観があり、また、様々な迷いや煩悩があってこそ人間だという風に私は考えているので、「そんなこと、思うな」とまでは求めません。

でも、仮にそこまでの自覚があるのなら、「議会の場で、そんなことを言うな」と、思います。
なぜなら、その発言の影響は、予想以上に大きいからです。
たとえ、正式な発言ではないにしろ、聞いた議員や職員、傍聴していた市民にとっては、
「ある議員による別の観点からの意見」という刷り込みがされてしまうからです。

つまり、ずるくて、姑息とも言えます。

 

どこぞの議会には、野次要員なる存在もあるそうですが、
言論の府である議会であるからこそ、正しい言葉で、論理的に自分の考えを表現する能力を高めていくと同時に、
問題要因を的確に認識し、課題解決に向けた政策提案をしていくということこそが、議員の本来の使命であり、必須条件です。

tomoko